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生活環境の変化が沖縄にもたらした影響

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変化する沖縄の生活環境

変化する沖縄の生活環境

現在の沖縄は、戦後の生活環境の変化により健康指標が大きく揺らいでいます。その背景について詳しく見ていきましょう。

長寿県を揺るがす生活変化

長寿県を揺るがす生活変化

沖縄には100歳を超えた高齢者も多く長寿県として有名ですが、近年はその状況が大きく変化しています。かつては平均寿命が男女ともに1位でしたが、その順位は徐々に低下しています。この現象は「沖縄クライシス」とも呼ばれていますが、なぜそのような状態になったのでしょうか。

沖縄クライシスの背景

沖縄クライシスの背景

沖縄クライシスの大きな要因として指摘されているのが、戦後急速に広がったアメリカ型の食生活と車社会の定着による運動不足です。沖縄では1世帯あたりの自動車の保有台数は3台ともいわれるほどの車社会です。車で移動するのが当たり前で日常的に運動する機会が少ないため、肥満や糖尿病の増加を招いたと考えられています。
琉球大学医学部が開設された1980年当時、80~90代の患者の解剖所見では動脈硬化や血管の石灰化はほとんど見られず、病理学者が驚いたという記録が残っています。これは戦前の沖縄で育った世代が低脂肪・低カロリーで食物繊維の豊富な食生活を続けていたからでしょう。

戦後は生活が一変

戦後は生活が一変

1975年時点で65歳以上だった人々、つまり終戦時に35歳以上だった世代は幼少期から3食すべて「煮イモ」を主食としてきました。白米を日常的に食べられたのはごく一部の裕福層で、テレビや雑誌で紹介されるような伝統的な沖縄料理は実際には正月やお祭りなど特別な日にしか口にできないものでした。
しかし、戦後の米軍統治下でアメリカ文化が流入すると沖縄の食生活は一変します。高脂肪・高糖質の食事が急速に広まり、生活環境も大きく異なりました。1970年代には男女とも糖尿病死亡率が全国47位と最下位だった沖縄ですが、21世紀に入ると男女とも全国1位となり、肥満や糖尿病、脂質異常症が増加し、それとともに平均寿命の順位も下がっていきました。

動脈硬化を防ぐために必要な生活習慣とは

動脈硬化を防ぐために必要な生活習慣とは

沖縄クライシスによって「日本人は本来、動物性脂肪の過剰摂取に適応していない。高カロリーで運動量の少ない生活は動脈硬化を急速に進める」ということがわかりました。
近年の研究では、動物性脂肪の過剰摂取が食欲のコントロールを乱して必要以上に食べてしまう、いわゆる「過食行動」を引き起こすことが明らかになっています。また、動物性脂肪にはアルコールやタバコに似た依存性があるとも指摘されています。さらに、座りがちな生活は内臓脂肪の蓄積だけでなく、筋肉量や筋力の低下を招き、糖尿病や動脈硬化のリスクを高めます。体重が大きく増えていなくても筋肉が減り脂肪が増えることで、動脈硬化が進みやすい体質へと変化してしまうのです。
そのため、動物性脂肪の摂りすぎにも十分に気をつけ、体重管理に注意しながら、自分に合った無理のない運動習慣を身につけることが大切です。