今後の高齢化の見通しは?
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、沖縄では「2050年に65歳以上が世帯主の高齢者世帯は約43%に達する」と見込まれています。総世帯数は2020年に比べて減少する一方で、高齢者の単身世帯は増加するといわれているため、高齢者の生活基盤をどのように支えていくかが大きな課題となっています。
「長寿県」の地位が揺らいでいる
かつて長寿県として全国トップを走っていた沖縄ですが、近年はその地位が大きく揺らいでいます。厚生労働省が2022年に公表した平均寿命を見てみると、男性が80.73歳で全国43位、女性は87.88歳で16位でした。以前の調査では男性は1985年には1位を記録し、女性は30年間にわたり1位を記録していましたが、その後は急落し、今回ついに43位と16位まで大きく順位を落としています。「沖縄=長寿県」というイメージはもはや過去のもの、といえるでしょう。
さらに詳しく見てみると、若い世代ほど順位が低い傾向があることがわかりました。平均余命を見てみると、75歳以上は男性2位、女性1位と依然として高いのですが、20歳と40歳では男性が43位、女性が15位と大きく順位を落としています。
つまり、若年層の生活習慣や食環境の変化が県全体の平均寿命を押し下げているのです。
健康寿命でも大幅に順位が低下している
平均寿命だけでなく、「健康寿命」でも沖縄は大きく順位を落としています。
健康寿命は介護が必要なく、自立して生活できる期間のことです。わかりやすくいうと、自分の力で元気に生活できる期間のことですが、健康寿命は生活習慣病や運動不足、食生活の変化などが大きく影響します。最新の調査で女性は25位から46位へ、男性も40位から45位へと順位が急落していますが、県は今後、より詳しい要因の解明に取り組む考えを示しています。
沖縄が抱える課題と今後の方向性
現在の沖縄では高齢者世帯の増加や単身化が広がる一方で、若い世代の健康状態が思うように伸びていないという、複数の課題が同時に起きています。かつて「長寿県」として全国トップを走ってきた沖縄ですが、そのイメージと現状に少しずつ大きなギャップが生まれているのです。
今後は、高齢者が安心して暮らせるように地域コミュニティの再構築や医療・介護体制の充実を図るのはもちろんですが、若年層の生活習慣の見直しも並行して進めることが今後の地域の持続性を左右する重要なポイントとなるでしょう。